人工ハンバーグ開発
抵抗を感じる方も多いでしょうし、コスト・安全性・味など改善すべき問題は多いようですが(ハンバーグ1個3000万円じゃなあ)、久しぶりにニュースで未来への希望を感じました。以下、Yahooニュースより転載。 ※ 人工ハンバーグ」を開発=世界初、食料需要に対応? ―英時事通信 8月6日(火)5時23分配信...
View Article今後の課題としない。
人文系の論文や評論を読んでいると、「○○については今後の課題としたい」で終わる論がむやみと目につきます。「残念ながら紙幅がつきた」も。 他の人がやることはともかく、私自身は「○○については今後の課題としたい」「残念ながら紙幅がつきた」式の終わらせ方を禁じ手にしていますし、今後もそうしようと思うのです。冒頭できっちりと問題提起を掲げ、それへの結論を出して締める。それが正しい論文作法と思います。...
View Article三浦俊彦『心理パラドクス』(予告)
最近この本が面白くて仕方がないのですが、仕事(?)やりかけにつき、終わってから本格的に読み返すことにします。三浦氏にはいつか、『倫理パラドクス』も書いて欲しいものです。
View Article内務省警保局「不敬・反戦反軍の記録」(『日本平和論大系 15』日本図書センター 1994 より)
戦時下の国民は黙ってなんかいなかった、という貴重な記録です。 内務省警保局の側も反戦反軍者の検挙に全力を挙げたようで、検挙数は以下の通りです(上掲書316ページより抜粋) 昭和17年4月より18年3月 総件数308件 月平均25件弱 昭和18年4月より19年3月 総件数406件 月平均34件 昭和19年4月より20年3月 総件数607件 月平均51件弱...
View Article小林秀雄「文学者の提携 生活と精神の総和とは」(『文学報国』1943(昭和18年9月10日)
私の新発見ではなく、すでに櫻本富雄氏の『日本文学報国会 大東亜戦争の文学者たち』(青木書店 1995 248~250ページ)に引用されています。すでにご存知だった方はご了承ください。第二回大東亜文学者決戦会議での発言です。 ※ 小林秀雄氏 大東亜文学の新しい建設のためにアジヤの文学者が一堂に会するといふことは非常に喜ばしいことであります。 (略)...
View Article永井荷風『断腸亭日乗』 より 日本文学報国会への批判
このところ永井荷風の日記『断腸亭日乗』を読みふけっています。戦時下でも時局に便乗しなかった文学者の、生活と意見をつづった貴重な資料です。 まず有名なところから引用してみます。1943(昭和18)5月の項より。 ※ ・五月十七日。細雨烟の如し。菊池寛の設立せし文学報国会なるもの一言の挨拶もなく余の名を其会員名簿に載す。同会々長は余の嫌悪する徳富蘇峯(引用者注...
View Article永井荷風『断腸亭日乗』 より 1943(昭和18)年9月10日前後
大東亜文学者決戦会議のあった1943(昭和18)年9月10日に、永井荷風は何をしていたのか。気になって読んでみましが、一言も触れていませんでした。セミが鳴いたとか落ちてたイチジクを食べたとか。同会議の存在自体知らなかったか、少なくとも関心がなかったようです。 ただ、その前日には注目の記事が。 ※ 九月九日。...
View Article永井荷風『断腸亭日乗』より 昭和18年5月の闇相場
1943(昭和18)年5月27日の記事より。 ※ 近頃物品の闇相場きく所次の如し 一砂糖 一貫目 金参拾円 一斤四円余 一白米 一升 金参四円 一鶏卵 一個 金三拾銭 一葛粉 百目 金拾円 一洋服羅紗地 男一人分 参四百円 仕立上り一着 五六百円 一鶏肉 一羽 金拾五円 一南京豆 一貫目 金参四拾円 (永井荷風『断腸亭日乗...
View Article永井荷風『断腸亭日乗』より 終戦の感慨
三月の大空襲で偏奇館を焼け出され、岡山に疎開した永井荷風の感想。 「兎に角に平和ほどよきはなく戦争ほどおそるべきものはなし」 (昭和二十年八月二十日 永井荷風『断腸亭日乗 六』岩波書店 昭和56 66ページ) とはいうものの、食糧難と混乱の時代はなおも続くのでした。
View Articleマスオひとりの時間
今日のサザエさんは、若本規夫ファンにはたまらない回でした。 アナゴさんと花沢父が釣り堀で遭遇するという異常事態。直接の会話はありませんでしたが、役作りの違いは伝わりました。恐妻家と頼れる父ちゃん。 そういえば花沢さん(花子)とアナゴ嫁も同じ声のような(山本圭子?)。両家族の今後が楽しみです。
View Article『近代日本と石橋湛山 『東洋経済新報』の人びと』
松尾 尊兌(まつお たかよし)著(東洋経済新報社 2013)。戦前、戦中にわたって軍国主義を批判し続け、戦後は短期間とはいえ総理大臣に就任した平和主義者、石橋湛山と彼の運営した雑誌『東洋経済新報』についての研究です。 一例として、同書226ページより、1932(昭和7)年2月号の『婦人之友』に掲載された軍備撤廃論(原題は不明。近日中に実物をあたります)を。 ※...
View Article前向きなメランコリー、もしくは「こわ悲しい」嗜好
なんというか、いま現在のような沈滞状態にあると、つい「怖い画像」とか「検索してはいけない言葉」だのを探してむなしく時間をつぶす悪癖がありまして。 そういうコンテンツに一定の需要があるということは、私と同じ嗜好の方も珍しくはないのでしょう。さかのぼればギリシア悲劇なんかにも、「悲しい」を通り越して「こわ悲しい」と呼びたくなるような作品があります。...
View Article『Newsweek 日本語版』 2013年9月10日号 特集:不可解なシリア攻撃論
図書館で読んでみたのですが、どうも問題の所在がつかめませんでした。 アメリカ国民や議会がシリア攻撃を支持していないのは確かなのですが、ではどうすればアサド政権の非人道的行為を止められるのか?それが見えてきません。 ひとまず、ニューズウィーク日本語版の公式サイトよりもくじを転載します。 特集:不可解なシリア攻撃論2013.9.10号(9/ 3発売)化学兵器使用を理由にシリア攻撃に前のめりになるオバマ...
View Article『新潮』2013年4月号 没後30年特集 2013年の小林秀雄
以下三本の論が収録されています。 山城むつみ 「蘇州の空白から 小林秀雄の「戦後」」 大澤信亮 「小林秀雄序論―日本の批評」 佐々木敦「批評の初心 2013年に「様々なる意匠」を読み直す/書き直す」 特に興味深かったのは山城論でした。...
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