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Channel: 核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ
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ホッブズ『リヴァイアサン』におけるノストラダムス

 小ネタを一つ紹介して、『リヴァイアサン』を終わりにします。 第1部第十二章「宗教について」。異教徒の神官や巫女の予言は、「できごとが二様にとれるようにわざとあいまいにされていたり」「人を酔わせる蒸気によって、つじつまの合わないものにされていた」、怪しいものだと述べた上で、以下のように続けます。 文中の*は訳注を示す記号、〔〕内は水田洋氏の訳注です。    ※...

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ロックの王権神授説批判

 『世界の名著 32 ロック ヒューム』(中央公論新社 1980)収録の『統治論』より。 『統治論二篇』または『市民政府二論』(原題は"Two Treatises of Government"。1688刊行)の後半部分にあたります。 フィルマーの王権神授説を批判しているのは前篇部分だそうですが、その結論は後篇冒頭にまとめてあるので引用します。    ※ 私は、前編でつぎのことを明らかにした。...

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ヒューム「原始契約について」の名誉革命批判

 『世界の名著32 ロック ヒューム』(中央公論新社 1980)に収録された、ヒュームの1748年刊行の論文です。 ヒューム(1711~1776)は名誉革命(1689年)を体験してはいない世代ですが、名誉革命や社会契約論の過大評価に疑問を持ち、以下のように書いています。    ※...

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「王権神授説への批判」、もうちょっとだけ続けます。

 デカルトの時は長くかかりすぎたので、今回はもうちょっと手短にして、きりのいいところで終わらせます。 そろそろ、日本文学関係も書きたくなってきましたので。   

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しあわせな気分。

 自分一人しか興味がないと思っていた話に、ほかの人が思いがけず興味を持ってくれた時とはいうのは、本当にしあわせな気分になるものです。

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河北稔編『新版 世界各国史 11 イギリス史』(山川出版社 1998)より「王政復古から名誉革命へ」

 一冊まるごと名誉革命の本はなかったので、通史から入ることにしました。 岩井淳著「第五章 革命の時代」より。 きっかけは、国王ジェイムズ二世が1688年に出した信仰自由宣言でした。名前だけだと進歩的に思えますが、その目的はカトリック化と絶対王政への復帰であり、プロテスタント勢力結集のきっかけとなったわけです。    ※ ここにいたって、ホイッグとトーリ(引用者注...

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名誉革命の資料が見つからない・・・。

 今回は資料紹介ではなく、ただの愚痴です。 自由だ平等だと立派なかけ声で始まった革命が、結局は大量粛清と独裁者出現で終わった例はいくらもあります。 この1689年の名誉革命は逆に、議会と外国勢力の密約でのクーデターという、あまり立派でない始まり方ながら、ほとんど(ゼロではありませんが)犠牲者を出さずに成功した珍しい例です。 なのに、なんでこうも日本人の関心をひかないのでしょうか。残念なことです。...

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ロック『寛容についての書簡』(1689)

 17世紀イギリスの宗教事情は実に複雑でして、国教会・カトリック・ピューリタンその他の宗派がなぜかくもお互いに争ったのか、日本人には理解しがたいものがあります。 そんな時代に一石を投じたのがロックの『寛容についての書簡』。 反乱者や犯罪者は、いかなる教会の人であろうと処罰されねばならない、しかしそうでない人々は平等な条件に置かれるべきなのです、と前置きした上で。    ※  (前半略。信仰の自由は)...

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村井弦斎『食道楽』より「我が覚悟」

 前々回はらちもない愚痴を書いてすみませんでした。Ciniiで読めるだけでも、名誉革命の文献はけっこうありました。反省の意をこめて、村井弦斎の名言を引用します。    ※ 言わないでもいい事へ一々不平を言うのは愚痴だ。(略)...

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カビヤ、ホアグラ、トリッフェ(村井弦斎『食道楽』より)

 『食道楽』「秋の巻」冒頭の口絵説明に、世界の三大珍味がまとめて出てきます。 「明治三十六年十一月三日帝国ホテルに開かれし天長節夜会の食卓を写せしなり」とあり、十三種の献立が紹介されています。    ※ カビヤは魯西亜(ろしあ)産鱒魚(ます)の卵の製したるものなり。(略) 第三の料理は雁肝(がんぎも)冷製寄物(アスピック ド ホアグラ ド ストランボルダ)といい雁の肝をゼリーにて寄せたるもの。(略)...

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文学者の責任(村井弦斎『食道楽』より)

 このところロックの『統治論』と並行して、岩波文庫版の『食道楽』上下巻を読み返しています。 村井弦斎を知ったのは十年近く前ですが、読み返すたびにつくづく、弦斎の人柄に親しみを感じます。この『食道楽』にしても、本当に「味がある」は料理と関係ない部分に多いのです。...

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ラリー・ガラ他編著『反戦のともしび―第二次世界大戦に抵抗したアメリカの若者たち』(明石書店 2010)

 (予定。副題の通り、日本やドイツやイタリアとの戦争に反対した方々の体験談です)

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半藤一利『日露戦争史1』(平凡社 2012)中の村井弦斎の記述

 同書の26~27ページに、村井弦斎の小説「匿名投書」のあらすじが紹介されています。    ※ たとえば明治二十三年発表の村井弦斎という流行作家の「匿名投書」という作品がある。...

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『浅草紅団』ノートの所在

 世田谷文学館にあるとばかり思っていましたが早とちりでした。 イベント終了後、川端記念館に戻ったようです。 探索の旅はふたたび始まる。

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そろそろ18きっぷ

 遠出は七月下旬になってからにしようかと思います。

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『サライ』2003年5月1日号 特集 発掘 漱石を凌ぐ、明治の大ベストセラー『食道楽』

 10年前には村井弦斎の存在を知らなかったので、古本屋で買ったと記憶しています。「ビーフ・スカラップ」「ライス・ブラマンジ」など『食道楽』に書かれた料理を、赤堀栄養専門学校の細川寿美子先生が実際に作り、カラーページで紹介しています。 弦斎を主人公にした小説『美食探偵』の作家火坂雅志氏、明治もの小説でおなじみの横田順彌氏、映画『美味しんぼ』の監督森崎東氏のお三方が試食なさっています。...

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村井弦斎『食道楽』における玄米と脚気

 いつもながら、弦斎が明治時代には早すぎた一例。    ※ 「僕は夏になると脚気が起っていかん。脚気は白米の中毒という説だから去年の夏は玄米とパン(原文漢字)ばかり食べていたら脚気が起らなかったよ。脚気がなくとも米の滋養分は糠(ぬか)にあるから玄米で食べる方が非常に栄養になるね」 (村井弦斎『食道楽(上)』岩波文庫 2005 原著1903(明治36)年)   ※...

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無神論者ヒュームの死

 ロックの『寛容についての書簡』は、キリスト教内のみならず他宗教への寛容を訴えた貴重な論ですが、それでも「神の存在を否定する人々は、決して寛容に扱われるべきではありません」と断言しています(『世界の名著32 ロック ヒューム』中央公論新社 1980 原著1689 391ページ)。...

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森本隆子『〈崇高〉と〈帝国〉の明治 夏目漱石論の射程』(ひつじ書房 2013)

 この森本先生という方は、静岡大学および同大学院での私の恩師にあたるわけですが、だからといってお義理で取り上げたわけではありません。「第二部 異性愛と植民地―もう一つの漱石」中の「第八章 米と食卓の日本近代文学誌」は本書中の白眉であり、私がとっくに読んでおくべき論文でした。初出は『米と日本人』静岡新聞社 1997所収とのことです。  1 近代家族は〈ごはん〉とともに誕生する 2...

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『日本文学』11月号特集 格付けされる文学―懸賞と文学賞の近代

 日本文学協会公式サイトより。8月20日締め切りとのことです。  11月号特集 格付けされる文学――懸賞と文

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