10年前には村井弦斎の存在を知らなかったので、古本屋で買ったと記憶しています。「ビーフ・スカラップ」「ライス・ブラマンジ」など『食道楽』に書かれた料理を、赤堀栄養専門学校の細川寿美子先生が実際に作り、カラーページで紹介しています。
弦斎を主人公にした小説『美食探偵』の作家火坂雅志氏、明治もの小説でおなじみの横田順彌氏、映画『美味しんぼ』の監督森崎東氏のお三方が試食なさっています。
「昔食べたコンビーフみたい」「オツな味。強いていえば病人食かな」などと、微妙な感想もありますが(調理法も進歩したのでしょう)、おおむね好評だったようです。
特に評価が高かったのが、ゆで卵の黄身を使った自家製マヨネーズ(作中では「マイナイス」と表記)。
「こんな言葉はありませんが、生のマヨネーズといった趣で、とても美味しいですね」(火坂氏)とのことです。これは自宅でも作れそうです。
平塚市では今(2003年現在)でも弦斎カレーや弦斎シュークリームが食べられるとの情報もありまして、次に神奈川方面に行く時は寄ろうかと思います。