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河合栄治郎と『経済往来』誌、日本評論社(松井慎一郎『河合栄治郎 戦闘的自由主義者の真実』)

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 河合栄治郎や土田杏村が論文を寄せた『経済往来』という雑誌は、前から気になっていました。松井慎一郎『河合栄治郎 戦闘的自由主義者の真実』(中公新書 2009)にその由来が載っていたので引用させていただきます。
 
    ※
 現在、法律関係を中心とした出版活動で知られる日本評論社は、一九一九年に茅原茂(かやはらしげる)(評論家茅原華山(かざん)の弟)によって創業され、文芸や社会思想を中心に幅広い出版活動を展開した。一九二五年に病没した茅原から経営を引き継いだのが鈴木利貞(としさだ)であった。鈴木は(略)一九二六年三月には、月刊雑誌『経済往来』を発刊、やがて、それは『中央公論』『改造』『文藝春秋』に比肩する総合雑誌『日本評論』にまで発展する。(11)
 (『河合栄治郎 戦闘的自由主義者の真実』 164~165ページ)
    ※
 
 注(11)に「美作太郎『戦前戦中を歩む』188~189頁)とあり、そちらにより詳しい情報がありそうです。
 そんな『経済往来』の熱心な懇請で河合が寄せたのは、「朝鮮のこと」(一九二七年六月号)でした。「朝鮮は朝鮮人のものであり、日本は朝鮮人の為の朝鮮を考えて往くべきことだけは明らかであろう」との結論です(上掲書149ページより孫引きさせていただきました)。石橋湛山の植民地放棄論・吉野作造の同化主義政策放棄論に比べれば具体的でなかったと松井氏は述べていますが、河合が日本の挑戦支配に疑問を持っていたのは確かなようです。
 

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