マイクロリールというのは飛ばし読みのできないメディアでして、村井弦斎の記事だけ読むつもりで早回ししていても、「森永ミルクチョコレート」だの「星製薬」だのがサブリミナルのごとく目に飛び込んでくるわけです。で、つい手を止めてコピーしてしまったのがこの「科学画報」記事です。
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【2】最新流行の無線電話帽
これは米国シンシナテイの流行展覧会に表はれた、最新の風変りの帽子で、上に乗つているのは、無線電信及び電話の受信用に用ひ得るアンテナで、此婦人が手にさげてゐるやうに、受話装置を携へてあるきさへすれば、何処ででも直ぐにそれを役に立てることが出来るさうです。
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…人類史上初の携帯電話ではないでしょうか。村井弦斎のSFにも出てこなかった大発明です。ただ、写真を見るとアンテナ帽子自体がやたらでかい上に、ハンドバッグ大の受話装置を別に持ち歩く必要があるので、実用性には疑問ありです。